結論:広告は足すほど弱くなる。成果を出す人ほど削っている
広告のクリエイティブを作るとき、つい情報を詰め込んでしまう。
これ、広告運用をやっている人なら一度は経験あると思います。
- 自社の魅力や権威性
- 見込み客にとってのベネフィット
- 残席わずかなどの限定性
「せっかく広告費をかけるんだから、全部伝えたい」
そう思うのは自然です。
でも、ここで一つはっきり言っておくと、
足し算のクリエイティブは誰でも作れる。
極端に言えば、ド素人でも作れてしまいます。
では、できる広告屋とそうでない人の差はどこにあるのか。
それは
「何を捨てるか」を決める引き算の勇気です。
今回は、現場で成果に直結してきた「クリエイティブの引き算」を3つ紹介します。
1. ターゲットの痛みを“えぐりすぎる”のをやめる
広告ではよく、
「ターゲットの悩みを深く理解し、強烈に刺せ」
と言われます。
その結果、こんな方向に行きがちです。
読んだ人が目を背けたくなるほど強い言葉を並べる
「インサイト突いたぞ」と満足してしまう
でも例えば、自己肯定感が低くて子育てに悩む母親に対して、
「あなた、自己肯定感低すぎます」
と真正面から言ったらどうなるか。
ほぼ確実に、防衛反応が起きて画面を閉じられます。
本当に深い悩みを抱えている人ほど、
痛みを直接突かれることに耐性がありません。
だからこそ、あえて引き算します。
原因を突きつける代わりに、
「どうなれたら嬉しいか」だけをそっと見せる。
広告屋の仕事は弱点を指摘することではなく、
希望を提示することだと私は思っています。
2. 画像の装飾と説明を捨てる
クリエイティブ制作でありがちなのが、
画像に情報を詰め込みすぎること。
背景を作り込み、説明文を増やし、理解させようとする。
でも、ユーザーはスクロール中です。
一瞬で流れる画面の中で、人はそこまで情報処理できません。
むしろ、飾れば飾るほど言葉の尖りは鈍ります。
だから画像では思い切って削ります。
- 丁寧な共感説明 → 削る
- 長い補足 → 削る
- 背景の意味付け → 最低限
代わりにやることは一つ。
「欲しい未来」を一行だけ、中央に置く。
画像は説明する場所ではありません。
衝動を生む場所です。
3. 「〇〇に悩むあなたへ」を削る
広告の冒頭は
「〇〇に悩むあなたへ」
から始めるべき、とよく言われます。
もちろん間違いではありません。
ただし、媒体AIに十分な学習データがある場合、
この言葉はノイズになることがあります。
AIはすでに
「誰に届けるべきか」
を理解しているからです。
ならば、言葉でターゲットを限定する必要はありません。
むしろ引き算して、
- 強烈なストーリー
- 常識を覆す問い
- 思わず続きを見たくなる導入
から始めた方が、スクロールを止められることが多い。
運用者に求められるのは、
呼びかけではなく“引き込み”です。
なぜ広告は引き算した方が成果が出るのか
広告の成果が落ちると、人は不安になります。
そして大抵こう動く。
「情報が足りないのでは?」
結果、言葉を足し、要素を足し、説明を増やす。
でも実際に心に残る広告は逆です。
削ぎ落とされた、シンプルなメッセージ。
何を伝えるかと同じくらい、
何を伝えないかを決めること。
これが広告運用者の仕事だと思っています。
情報を詰め込むことではなく、
引き算する勇気を持つこと。
現場からは以上です。

