結論:tCPAとtROASは「設定」ではなく「付き合い方」で結果が変わる
Google広告を運用していると、ほぼ確実にぶつかる壁があります。
- 設定したtCPA通りに動かない
- tROASを調整したら急に崩れた
- どれくらい変更していいのか分からない
これ、スキル不足というより AIの特性を知らないまま操作している ケースがほとんど。
・・・
こんにちは、ひらそです。
直近、コンサル先のクライアントからGoogle広告のスマート入札について同じ質問を立て続けに受けました。
インハウス担当者でも、代理店の運用者でも、tCPA・tROASの扱いで迷うのは本当に共通しています。
この記事では、現場で実際に使っている考え方として、
「自動入札を安定させるための5つの基本原則」
をまとめます。
理論というより、運用している人が混乱しないための指針です。
tCPAとtROASの違い|まずここを誤解しない

tCPAとtROASは「単価」と「収益率」の違いではない
この2つは数字の違いではなく、
AIに対して「何を最優先にするか」を指示するものです。
- tCPA → 予算に対するアプローチ
- tROAS → リターンに対するアプローチ
ざっくり言うと、
- 件数を安定させたい → tCPA
- 収益性を最適化したい → tROAS
という使い分けになります。

価格差が大きい商材はtROASが合理的。
ただし、運用を安定させたい段階ではtCPAで件数を担保する方が現実的なことも多いです。
初期設定の考え方|目標値は「少しだけ背伸び」が正解
tCPAやtROASは、理想値から入れるとほぼ失敗します。
AIの学習を進めるためには、
直近実績ベースでスタートすることが重要です。
初期目標値の決め方
基準にするのは過去7〜14日の実績。
- tCPA:実績CPAより5〜10%低く設定
- tROAS:実績ROASより5〜10%高く設定
つまり、
「もう少し頑張れば届く」
くらいのライン。
ここを厳しくしすぎると、AIがオークションに参加できず機会損失になります。
予算が余っているときの判断
成果の良し悪しに関係なく、
予算が消化できていないなら目標を緩める
これが最優先です。
まず参加機会を広げる。
最適化はその後です。
基本原則①:目標値の変更は10〜20%以内
現場の経験則として、これはかなり重要です。
自動入札は変更すると再学習に入ります。
一度に大きく動かすと、
それまでの学習がほぼリセットされます。
推奨調整幅
- tCPA:±10〜20%
- tROAS:±10〜20%
焦って一気に動かすほど、成果は不安定になります。
地味ですが、小刻みに寄せるのが一番早いです。
基本原則②:AIには「学習の慣性」がある
「変更したのに全然変わらない」
これ、よく言われます。
原因はAIの慣性です。

目標を緩めた場合
オークション参加が増えるため、費用は比較的すぐ増えやすい。
目標を厳しくした場合
AIは過去の成功パターンを簡単には捨てないため、変化は緩やか。
安定までの目安
- データ反映:最低24時間
- 安定化:3日〜7日
調整して1〜2日で判断すると、ほぼ間違えます。
最低3日は待つ。
これは鉄則です。
基本原則③:緊急時だけ「強行調整」を使う
通常は10〜20%調整で十分です。
ただし例外があります。
- 売上ゼロが続く
- 費用が暴走している
こういう緊急状態。
AIの閾値を超えて動かす
小さな変更だとAIが誤差と判断して動かないことがあります。
その場合、
- tCPAを30〜40%引き下げる
といった強行調整を行うこともあります。
ただしこれは最終手段。
学習を壊すリスクもあるので常用はNGです。
基本原則④:調整が効かない原因は「市場の壁」
設定を変えても動かないとき、
原因はAIではなく市場側にあることが多いです。
目標を緩めても費用が増えない
→ 競合単価にまだ届いていない
厳しくしても費用が減らない
→ 市場が緩んでいて普通に勝てている
このときやるべきは設定変更ではなく、
オークション分析レポートの確認
インプレッションシェアを見ると、競合の動きがかなり見えてきます。
自動入札は「魔法」ではなく「伴走型ツール」
tCPAやtROASは、今のGoogle広告では避けて通れません。
ただ、AIは魔法の箱ではない。
- 学習の慣性
- 市場環境
- 調整幅
このあたりを理解せず触ると、
「急に費用が増えた」
「なぜか動かない」
が必ず起きます。
今回書いた5つの原則は、
私自身が現場で混乱しないために整理してきた考え方です。
自動入札に振り回されるのではなく、
特性を理解して伴走する。
それだけで運用の安定度はかなり変わります。
現場からは以上です。

